限定200部
富貴の象徴、百花の王「牡丹」
文化勲章受章の巨匠 前田青邨が心を込めて描いた逸品
本作は、小林古径、安田靫彦、前田青邨、奥村土牛などの錚々たる画家たちで構成された清流会に出品された作で、青邨の代表的静物画と評価される。絢爛に咲き誇る牡丹、緑青の葉にはたらしこみが用いられ、その様が朱の模様の壷と美しさの競艶をしている。画面上部の余白には金泥の隈取りが施され、吉兆と装飾性を加味している点も見事といえる。
明治美術の偉大な先覚者である岡倉天心は、「芸術は形を移すのではなくものの心を移すべきだ」と、青邨を諭した。青邨自身も対象をスケッチする際の心構えを「スケッチをすることは、私にとって、実に大きな喜びだ。自分の眼に美しいと感じられたものの、その美しさを、自分の筆に描きとどめる喜び。殊にまた、対象の気持ちがよくとれた時の、なんとも言えず深い喜び……」と、述べている。
この「牡丹」は、天心の教え、自己に課した心構えが率直に生かされているがゆえに貴いといえるであろう。
川口 直宜(美術評論家、前泉屋博古館分館長) ※付属解説書から抜粋
■作品の監修と掛軸桐箱の箱書きは、前田青邨の愛弟子のひとり、日本美術院同人の小山硬画伯です。
■「彩美版Ⓡ」により、繊細な筆遣いや、上品な色彩まで再現し、一枚ずつ手作業でシルクスクリーンを施しています。金色の再現には本金泥をシルクスクリーンインキに混ぜて使用しています。
■高級感のある金泥塗りの額装と、和室や床の間を豊かに彩る掛軸の両方をご用意しました。お住まいに合わせてお選びいただけます。
■著作権者である前田家の正式認可の証として、奥付に承認印が捺されます。
彩美版とは:画材の質感と豊かな色調を再現するために生み出された新時代の画期的な技法による複製画です。彩美版の特徴である先端デジタル加工処理技術と高精度プリント、さらには一枚一枚職人の手刷りによるシルスクスクリーンを施し、豊かな色彩や作家の筆遣い、原画の持つ絵の鼓動までをも表現いたしました。(彩美版は共同印刷株式会社の登録商標です)
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