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荘厳なる古都の冬景色
本作「大和・雪のしじま」の舞台は、奈良・二上(ふたかみ)山麓に在る当麻寺(たいまでら)であるが、観る者を画中に誘(いざな)うこの臨場感はどうだろう。そこに広がるのは、後藤純男が描く静謐(せいひつ)なる祈りの世界だが、その静寂は単なる「静」に止まらない。画面隅々に至るまで綿密な筆致で描きこまれた作品は、雪降る奈良・当麻寺を訪れた画家の、神聖な風景の前に佇んだ時の感動、喜び、畏(おそ)れを語りかけてくる。歴史に刻んできた寺院の、雪に覆われた壮麗な姿を仰ぎ見る画家の視線は、画中で息吹、躍動感となり、画面が我々の側に迫(せ)り出してくるような、とてつもない臨場感を生むのである。
行定俊文(後藤純男美術館前館長)
後藤純男(ごとう・すみお)
1930年千葉県東葛飾郡関宿町(現野田市)の真言宗住職の家に生まれる。46年から山本丘人に師事。49年からは田中青坪に師事。52年再興第37回院展に「風景」が初入選。88年高野山東京別院に襖絵「高野山の四季」を奉納。90年「法隆寺秘宝展」に「百済観音画像」を出品、本尊として会場に安置された。92年「大和・雪のしじま」を制作。93年奈良・真言宗豊山派総本山長谷寺に襖絵「夏冬山水」を奉納。95年パリ・三越エトワールで個展開催。99年東京・高幡不動尊金剛寺に襖絵「桂林山水朝暘夕粧」を奉納。2006年春の叙勲で「旭日小綬章」受章。16年「大和の雪」で第72回日本芸術院賞・恩賜賞受章。同年10月逝去。
彩美版とは:画材の質感と豊かな色調を再現するために生み出された新時代の画期的な技法による複製画です。彩美版の特徴である最新デジタル加工処理技術と高精度プリント、さらには一枚一枚職人の手作業によるシルスクスクリーンを施し、豊かな色彩や作家の筆遣い、原画の持つ絵の鼓動までをも表現いたしました。(彩美版は共同印刷株式会社の登録商標です。)
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