国境や民族を超える壮大なキャラバン
限定300部
平山郁夫画伯とシルクロード
平山郁夫画伯は日本文化の原点となる仏教を運んだシルクロードを描くことで「日本人の精神・文化とは何か」と問い続けました。そして同時に、平和が保たれることによって東西交易が可能となることから、「シルクロードを人々がたどっていること自体が平和の象徴」と語っていました。玄奘三蔵の歩んだ道を追い求め、1968年に初めてシルクトードを訪れて以降、150回以上にわたり取材を続けてきた平山郁夫画伯。時には道なき道を行き、荒々しい山を越え、その厳しい旅は修行のようであったといいます。
要衝の地アフガニスタン
アフガニスタンは、日本の国土の約1.7倍、人口は約3900万人の中央アジアのイスラム国家で、古来シルクロード交易の重要な地として栄えてきた国です。
地理上、東西文化の交流に果たした役割は大きく、日本文化の源流としても、わが国とは深い縁で結ばれています。アフガニスタンのほぼ中央に位置するバーミヤンには、6世紀頃に作られたと言われる巨大大仏がありましたが、2001年に、偶像崇拝を徹底的に排除しようとしたタリバンに破壊されるという歴史的悲劇が起こりました。その事実は、多くの人々に衝撃を与え、ユネスコ親善大使として、大仏破壊の阻止に奔走された平山郁夫画伯は、平和の実現が何よりも重要だという思いを強くし、より一層、世界各地の文化財および文化遺産の保護に尽力されました。
群青の世界
青く、深い、神秘的な色として描かれ、見るものを幻想へと誘う群青色の光景。銅の鉱床から産出される群青は、産地によって微妙な色の違いがあり、また、天然の素材のため、絵具に精製する過程で多くの不純物を取り除く必要があります。一口に群青といっても、産地や工程によって、色調に大きな違いがあり、平山郁夫画伯は、これらの違いを巧みに利用して作品を描きました。
作品解説
本作では、満月が煌々と照らし出すアフガニスタンの砂漠を静かに進む一群の隊商が描かれています。いくえにも砂丘が重なり、砂漠の風紋は刻一刻と姿を変えていきます。画面中央には、ひときわ大きく、堂々としたたたずまいの男性が白馬に乗り、キャラバンを先導しています。画家はこの男性のことを「アフガニスタンの長」と述べていますが、一体、誰を表そうとしたのかは定かではありません。あるいは、特定の人物を描いたというよりは画家が願う理想的な指導者の姿を描こうとしたのかも知れません。
(付属解説書から抜粋)
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■2009年に発売し、好評のうちに完売した「アフガニスタンの砂漠を行く・月」高級複製画を贅沢にサイズアップし、今回、迫力のある「特装版」として、新たに300部限定で発売します。
■原画所蔵元である平山郁夫シルクロード美術館の監修を得て、原画の微細な色調までこだわり再現しました。
■作品の持つ金色の輝きは、職人技のシルクスクリーンで再現。一部、本金泥を使用し、豪華に原画の持つ魅力を追求しました。
彩美版とは:画材の質感と豊かな色調を再現するために生み出された新時代の画期的な技法による複製画です。彩美版の特徴である先端デジタル加工処理技術と高精度プリント、さらには一枚一枚職人の手作業によるシルスクスクリーンを施し、豊かな色彩や作家の筆遣い、原画の持つ絵の鼓動までをも表現いたしました。(彩美版は共同印刷株式会社の登録商標です)
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