限定300部
素朴で穏やか親しみのある筆使い
味わい深い白隠の書画を額装にして
臨済宗中興の祖として知られる白隠の書画は、それ以前の権威や伝統を重んじたものから離れ、民衆に親しみやすい、戯画的なものですが、わかりやすくありがたい絵や言葉で、たちまち多くの民衆の心をとらえました。その後、「白隠」に感化され、白隠的な墨絵が日本の美術史に現れてきます。
近年、絵手紙や墨絵がたいへんな人気を博しています。技術の優劣より、人の内面を素朴な墨絵や言葉に託した作品に多くの人が魅了されているからです。そのルーツともいえる白隠の書画は、日本国内にとどまらず世界各国でも注目され、大きく見直されてきています。
初夢や
一冨士
二鷹
三なすび
おふじさん
霞の
小袖
ぬがしやんせ
雪のはだへが
見たふ
ござんす
賛文では富士山の白雪を女人の白い肌に見たてゝ、霞の小袖をぬいでみせてほしいといっています。
白隠のからりとしたエロティシズムを感ずる賛文ですが、「何より、本質をみなさい」といっているのでしょう。
在家の人々に暖かい眼差しをそゝいでいた白隠の本領が存分に発揮された七十代の遺墨です。
(解説文から抜粋)
※掛軸のご注文も承ります。