限定200部
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モネの生涯の夢を実現したのがパリのオランジュリー美術館にある睡蓮の間です。楕円形の部屋が二つ、八の字型につながっており、それぞれに「朝」「日没」「樹木の反映」など四枚の超ワイドスクリーンの絵が飾られています。ここで見ていただくのは第一室の「雲」の部分です。全体で幅およそ十二メートル、高さ二メートルの画面の一部ですが、ここでモネが描こうとしたのは睡蓮ではなく、水に映る雲です。変幻自在の雲は、これまた形があってないような水、すべての生命の源である水と一体となることで、新たな命を得たかのように水に揺れ、水と戯れています。ここにあるのは全体の一部ですが、この画面の上下左右にはモネの言う「終わりのない世界」が、無限の自然が広がっているのが感じられるでしょう。なお、このオランジュリー美術館の睡蓮連作は、「エチュード」と呼ばれることもありますが、エチュードとは練習(曲)、稽古、秀作などを意味する言葉です。もしモネ自身がこの言葉を使ったのなら、それはいわゆる習作、下絵といった意味ではなく、自然を前にして画家は常に学ぶのであり、その探求に終わりはなく、その作品に完成はないという、自然に対するモネの謙虚な思いと画家としての飽くなき向上心を表わす言葉と言えるでしょう。(解説から抜粋)
千足伸行(成城大学名誉教授、広島県立美術館長)
「睡蓮、水のエチュード―雲」制作にあたり
オランジュリー美術館の「睡蓮」連作大装飾画は、モネ芸術の集大成として描かれた記念碑的作品です。モネの友人で元首相のクレマンソーの働きかけにより、第一次世界大戦の終結を記念して、フランス国家に寄贈されました。「印象派の殿堂」と呼ばれるオランジュリー美術館は、「睡蓮」連作大装飾画を収蔵するため、ナポレオン3世のオレンジ植物園を改造し1927年に創設されました。
ご案内の本作品は第一室に飾られた「雲」の全画面より作品のハイライト部を、フランス国立美術館連合・グランパレ(RMN-GP)の画像協力を得て制作いたしました。
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