CD版 歴史講座 「古事記」の読み方
日本最古の歴史書「古事記」とはどんな書物か? その成り立ちや特色など、「古事記」入門編を、歴史学界の重鎮、上田正昭京都大学名誉教授が4時間にわたって講義したCD集です。
「古事記」は日本古典の白眉
「古事記」の世界には古代日本の歴史と文学の原像が、その伝承に息づいています。口から耳へ耳から口へと語り伝えられた口頭伝承は、文字化され、筆録化されて、やがて変貌してゆきますが、「古事記」には、その原伝承がなお生きています。「古事記」は必読すべき日本の古典のなかの古典といってよいでしょう。(「講義要旨」より抜粋)
CD収録内容
■第1巻 「古事記」の成り立ち(1)――偽書説への反証(53分)
「古事記」の成り立ちを記しているのが<序>の部分である。しかし江戸時代の国学者・賀茂真淵は、「古事記」の<序>はあとから付け加えられたものではないかという説を持っていた。そこから繰り広げられた「古事記偽書説」は現代にまで及んでいるが、上田先生は「万葉集」の題詞に見られる「古事記に曰く」の記述などを用い、その説を否定する。
■第2巻 「古事記」の成り立ち(2)――拠り所は古来の伝承(57分)
「古事記」が成り立つ以前、すでに筆録された皇室関係の記録である「帝紀」や各氏族の伝承「旧辞」があった。それらを、稗田阿礼と太安萬侶がまとめたものが「古事記」である。しかし、古代における「古事記」は、いわゆる和銅の「古事記」のみではないという興味深い話も紹介される。
■第3巻 「古事記」の特色(1)――天皇家の書として(56分)
天御中主神から舒明天皇まで書かれている「古事記」は、「フルコトブミ」の書名にふさわしく、古き代をより重視した内容である。一方「日本書紀」は対照的に、雄略天皇以降の近き代を詳細に記している。そのほか、両書の文体にも大きな違いがある。両書を比較してゆくと、「古事記」が天皇家の書であることが鮮明となってくる。
■第4巻 「古事記」の特色(2)――豊かな文学性(59分)
「倭は国のまほろば たたなづく 青垣 山隠れる 倭し美し」―倭建命が死の直前に故郷大和を望んで歌ったとされる感動的な一首は『古事記』の中に記されている。倭建命の伝承などをとり上げ、『古事記』を特長づける豊かな文学性について語る。
※このCDは、1988年に朝日新聞社がカセットで発売した商品をCD化したものです。
講師:上田正昭(うえだ・まさあき)
1927年兵庫県生まれ。歴史学者。京都大学名誉教授。京都大学文学部卒業。京都大学教授、大阪女子大学学長などを歴任。アジア史学会会長。2000年、南方熊楠賞受賞。日本古代史を中心に神話学、民俗学なども視野に入れ、広く東アジア的視点から歴史を究明する。主な著書に「日本神話」(岩波書店/毎日出版文化賞)、「古代伝承史の研究」(塙書房/江馬賞)、「上田正昭著作集」(角川書店)ほか多数。2016年没。
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