速水御舟「瓶梅図」<額>
限定200部
大観、青邨、古径が認めた夭折の天才、晩年の傑作
時代を先駆けた希代の天才
―写実を超えた写実から「生活に重点を置く芸術」へ。―
1920(大正9)年頃より御舟は、写実様式で知られる北方ルネサンス期の巨匠、アルブレヒト・デューラーや宋元の院体様式へ強い関心を抱き、グロテスクなまでに執拗な細密表現による「京の舞妓」(再興第7回院展)を出品し波紋を呼びました。1923(大正12)年の野火止平林寺での参禅修行を経て、25年に写実を超えた究極の写美、「炎舞」(重要文化財)を描きます。その後一転して琳派様式をもとにした装飾的で華麗な「名樹散椿」(重要文化財)などの作品を院展に発表します。30年にローマで開催されたイタリア政府主催日本美術展の美術使節として渡欧、かの地の芸術に直接触れます。帰国後は「生活に重点を置く芸術」を目標に据えた芸術活動を進めます。御舟はこれにより芸術は社会と共に発展・進歩するとし、新しい芸術はここから生まれると語りました。
伝統とモダンの融合「瓶梅図」
当時の東京は、関東大震災の復興事業を通じモダン都市へと変貌をとげていました。人々の暮らしも伝統と西欧的モダンが融合した新しい生活様式へと変化しつつありました。「瓶梅図」が描かれたのはまさにそんな時代です。「瓶梅図」は東洋画の伝統に立脚しながら、今なお清新でモダンな感覚に満ちています。「瓶梅図」に描かれた紅白の梅は、かつて参禅修行した野火止平林寺境内に咲いていた想い出深い花です。平林寺で苦労を共にした弟子の高橋周桑がもたらしたものです。この梅を自身が所有していた伊万里の壺と組み合わせ、生け花という古典的道具立てを借りつつ、現代的生活感覚を盛り込み、今なお新鮮な魅力に溢れる静物画を生み出したのです。
■限定200部のみのご提供です。
■石井幸彦氏(世田谷美術館主席学芸員)による「瓶梅図」がよくわかる作品解説、田渕俊夫氏(日本画家/日本美術院理事長・同人)の特別インタビュー「速水御舟と私」を収録した特別付録が添付されます。
彩美版とは:画材の質感と豊かな色調を再現するために生み出された新時代の画期的な技法による複製画です。彩美版の特徴である先端デジタル加工処理技術と高精度プリント、さらには一枚一枚職人の手刷りによるシルスクスクリーンを施し、豊かな色彩や作家の筆遣い、原画の持つ絵の鼓動までをも表現いたしました。(彩美版は共同印刷株式会社の登録商標です)
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