限定300部
ひなげし咲く丘に重ねる幸福な人生のイメージ
特製の金箔額が印象派の明るい風景を引き立て、飾る空間を美しく彩ります。
家族の幸福な時代を象徴する一枚
モネがアルジャントゥイユで過ごした時代のうち、1872〜1875年ごろにかけての時期は、モネの生涯においても特に幸せな時代でした。
経済面では必ずしも恵まれていませんでしたが、画商のデュラン・リュエルに支えられ、自然豊かなパリ近郊で妻のカミーユと幼い息子ジャンと共に過ごす日々はモネにとって喜びに満ちたものでした。この時代のモネは、本作「アルジャントゥイユのひなげし」のように、自宅近くにあった野原や家の庭など、家族と共に過ごす身近な日常の景色を題材に多くの作品を描いており、そこからは画家の目を通してみた幸福で充実した日常が感じられます。
「印象派のゆりかご」アルジャントゥイユ
アルジャントゥイユはパリから10kmほど、鉄道で15分ほどのところに位置するセーヌ河畔の町です。当時人口8000人ほどであったアルジャントゥイユは、パリの人々に人気の行楽地でもありました。田園風景と近代生活が混ざり合うこの地に魅せられたモネやマネ、ルノワールといった印象派の画家たちが、ここで多くの作品を制作しました。5、6月ごろに、夏の始まりを告げるかのように赤い花が咲くひなげしの野原は、この地域の西の郊外に広がっています。本作では、軽快な斑点で描かれたひなげしの咲く野原と、青い空の美しい対比のなかに二組の親子が描かれていますが、この二組はいずれもカミーユとジャンをモデルにしたものだという見方もあります。
印象派の黎明期を代表する一枚
「アルジャントゥイユのひなげし」は、「印象派」という名前のもととなった「印象・日の出」を含む複数点の作品と共に1874年の第一回印象派展に出品されました。個人的・内面的な感覚=印象に忠実であり、「風景そのものではなく風景が与える印象を表現する」という印象派の根幹となる思想を、印象派運動の旗手として重要視したモネ。その思いは自然と共にある満ち足りた生活の空気感を描いた本作からも感じられます。
「アルジャントゥイユのひなげし」彩美版は、オルセー美術館から正式に提供された画像データを使用し、同館に在籍経験もある東京都美術館館長で美術史家の高橋明也氏による監修のもと、数多くのモネ作品を複製画として制作してきた共同印刷が経験と豊かな技術を駆使して、限定300部で制作いたしました。印象派の巨匠モネが最も充実していた一時代に描いた、軽やかで美しい初夏の景色をぜひお手元でご堪能ください。
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彩美版とは:画材の質感と豊かな色調を再現するために生み出された新時代の画期的な技法による複製画です。最新のデジタル加工処理技術と高精度なプリントにより、原画の持つ微妙なニュアンスや作家の筆遣いといった絵の鼓動までもが表現されています。(彩美版は共同印刷株式会社の登録商標です)